手持ちのトランスには900Vと310Vタップがあるそうなので、今回は400〜450Vのプレート電圧で設計してみます。

ロードラインを引いてみると、ドライブ電圧もグッと減って25V(17Vrms)となりますから12AX7の片側だけで足りそうです。


       


このグラフではプレート電圧450Vとなっていますが、400Vの場合バイアス電圧をマイナス22Vくらいに下げて、100mAほどプレート電流を流せば5〜6Wが歪率3%以下で出せるでしょう。電源トランス1次側で15%アップの115Vが作れれば申し分ありません。

12AX7の450V動作は一般に出ていませんが、特性カーブから下のように増幅度67倍で、100Vをスイングできる能力があります。プレート抵抗は0,5Wほどかかりますので、最低でも3W程度、できれば5Wのものを使った方が熱が低く抑えられます。





以上の条件から出来上がった回路図が下のようになり、約0,4V(0,27Vrms)で最大出力5〜8Wが得られ、そのときの歪は3%以下、DF=2,2の予定です。周波数特性はOPTの性能から低域20Hz高域30kHzがカットオフとなるでしょう。





電源トランスや球のスペックからするとちょっともったいない使い方ですが、その分電源の部品数が減り、作りやすいと思います。4633のカソード抵抗はプレート電流計測用で、1Vの時100mAになるように入れておいたものです。

これが今回のhideさんからのオーダーによる設計です。ぜひがんばって作ってみてください。なお東栄変成器のHPはこちらになります。






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その2