いよいよ本物(?)の6B4Gを使って計測を行います。まずはロシアの6S4Sですが、明らかに6,3Vよりも5V時の特性のほうが、小さなループ部分も消えて良くなっています。
続いてウルトロン製の6B4Gです。はっきりしたループ特性は見えにくいようで、さすがドイツ製(その後指摘がありロシア製らしい)と言いたいところですが、電流の立ち上がり(赤丸部分)を見ると5Vの方が良くなっていると判ります。
こうして測定した結果2A3同様6B4Gであっても、2枚プレート型は低めのフィラメント電圧つまり5Vで動作させた方が良いと結論されます。
また直流点火の際、アダプタータイプも含め5VのSW電源が安く豊富に出回っている点を考慮にいれると、ますます5V点火が有利でしょう。
ただし、このような設計方針を一般の方々に強要するつもりはありません。それよりも「魅惑の真空管アンプ」巻末にある「大座談会」において、浅野勇氏と伊藤多喜男氏の会話中に以下のような部分がありました。
浅野 「・・・2A3が1935年に出たでしょう。あれに皆なとびついたんですよ。あまりいい球じゃないですね。それでまた45を使い出したことを憶えている。」
伊藤 「私はA3でいい音出したことはない。ずいぶんあれと取っ組んだんです。今の耳よりいいかどうか知りませんけれども。ともかくA3でいいなと思ったのは一つもないですね。・・・・」
最後にバルブアートの2A3(2枚プレート)のデータを出しておきますが、これを見ると、「もはや2A3で2,5V動作をすべきではない。」と言い切りたくなります。
しかし多くの新興宗教や詐欺関連のニュースが伝えてきたように、一旦「規格表」と言う教祖様に染まってしまった方々が、洗脳状態から開放されるのは非常に難しいのです。
そしてこの続編は
へと続きます。
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