πマッチ回路の原理を説明する時に、よく出てくるLマッチ回路ですが、実際にはLマッチ回路の動作原理の説明についても、ウヤムヤなまま進めるのが定番となっています。

ウヤムヤになってしまうのは、教わった先生の講義や専門書の文章が、そのようにして来たからで、教えてもらう経験や、読み知る機会が無かったのでは、当然自身の説明内容もウヤムヤになるでしょう。

このようなことはパソコンの基本説明でもありました。専門用語を説明するために別の専門用語を使うので、書いている方は得意満面なのですが、読んでる方はさっぱりワカランというパターンです。

これを専門家方言現象と言い、本人は一生懸命東京から来た人に話しているのですが、なまりが強くて内容はその村でしか通じません。

そうした大人の社会の有様を見抜いたのでしょうか。逆にさっぱりワカランというパターンを利用し、女子高生などが自分たちだけの会話を構成して、ちょっとした区別感や優越感を楽しんでます。

しかしこれを先生、もしくは教える側がやってしまってはダメなのです。ところが厄介なことに、私やイルカやカラスなどは、けっこう好奇心の強い生き物なので、ついついその仕組みを知りたくなります。

そこで今回はLマッチ回路の仕組みを、概念的に考えてみることにしました。

まず下の図のように、Lマッチ回路の2つのタイプをそれぞれ 1型、2型 とします。1型はπマッチの入り口、2型は出口です。


      


回路図としてはこのような状態ですが、改めてコンデンサーとコイルの基本的な電流の流れ方を、その物理学的原点(電気の構造的なからくり)に戻って、もう一度おさらいしてみます。

まずコンデンサーですが、この素子は充電する時と、それを放電する時、電流の流れる方向が逆になるという特徴があります。

これはタンクに水を貯める時、及び放出する時の、水の流れる方向とよく似ています。


      


それに対し、コイルは流れ込んだ磁化電流と、磁力が電力に戻るときの発電電流が同方向という、コンデンサーとは全く逆の特徴を持っています。

電磁石の電源を切ると磁石ではなくなるのは、鉄芯が元の状態に戻ろうとする力を持っているためで、その時の磁力を打ち消そうとする力は、磁化された時と同じ方向に発電します。

これはフライホイールに、回転エネルギーを与えた時とよく似ています。ちなみに、人の精神が他者に強制されるのを不快に思う理由は、こうした自然科学的な現象が根本にあるからかもしれません。


  


また何もないはずの空間も、磁化されると、元に戻そうとする力を持っていて、中性の磁界を保とうとする空間の力が、高周波では鉄芯の役目を果たします。

こうした磁気的に中性を保とうとする無限の力が、我々の存在する宇宙空間に満ち溢れているからこそ、電波はそのエネルギーロードに乗って、遠くに飛んで行けるのです。

ただし電波が地球の大気圏を貫いて、宇宙に飛んで行けると証明されてから、まだ80年も経っていません。(ダイアナ計画:1946年 アメリカ陸軍)


      


電波は飛んで行くのが当たり前と思っている人は、自宅の玄関から先に、道があるのは当たり前と思っている人に似ています。しかしそれは人間が労働で作った、ありがたいエネルギーロードでもあります。

電気を学ぶ時、宇宙や社会や愛というファクターを忘れている先生が多いことも、注意しましょう。その理由は専門知識に偏重してしまう事が多いからです。

コンデンサーとコイルは電気回路上、あたかも対をなしているように見えますが、このようにシステム的には全く異なる存在といえます。

以上の事を念頭に置いて、まずLマッチ1型回路を少し変形すると、下の図のようになります。


      


この回路に交流電源から電流を流すと、電流は二手に分かれ、コンデンサーとコイルに対し、並列にチャージおよび磁化をします。

その後放電及び発電時には、双方とも向きが負荷方向になるので、コイルとコンデンサーは直列に電流を流すことになります。

まるで倍電圧整流回路もしくはカスコード接続のようですが、これにより高いインピーダンスに変換出来たことになります。


      

また交流電源の位相が負の時は下の図のようになります。


      


以上がLマッチ1型回路の動作となり、インピーダンスを上昇させたい時のマッチング回路だとわかりました。

一方Lマッチ2型回路では、下の図のように変形できます。


      


この回路に交流電源から電流を流すと、電流は分割されることなく、コイルとコンデンサーを直列に流れ、磁化、及び充電します。

その後、放電、発電時の電流方向は、どちらも出力側に向き、それは並列につながっています。

まるで両波整流回路もしくはSEPP回路のようですが、これにより低いインピーダンスに変換できたことになります。


      


また交流電源の位相が負の時は、下の図のようになります。


      


以上がLマッチ2型回路の動作となり、インピーダンスを低下させたい時のマッチング回路だとわかりました。

このように1型では並列に貯められたエネルギーが、直列になって放出され、2型では直列に貯められたエネルギーが、並列で放出されるというわけです。

もっとも、このようなタイミングの良い絶妙な作業は、いつでも行われるのではなく、特定の周波数、つまり馬が合う仲間でしかできません。

ちなみに今回は、RLの存在を無視して説明しましたが、実際は人生同様、もう少し複雑になります。

コイルとコンデンサーという真逆の素子を発明した、あるいは発見した人々は素晴らしいと思います。しかしそれらを用意しておいてくれた「宇宙の意思」というものも、感じずにはいられません。

男女LC理論において、むしろ一番シンプルだと思われていた、中性であるRの存在とは、いったい何なのでしょうか。もしかしたら、本当のRの存在を私は見過ごして来たのかもしれません

空間エネルギーによって生まれた、質量のようなものなのでしょうか。

あるいは男女における子孫愛のようなものなのでしょうか。

ナゾは深まるばかりです。





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