(開く標準プログラムはインターネットエクスプローラーです)

 

 
 

デシベルは「dB」と書きますが、本当の単位はベルつまり「B」です。

それに水の計量時用いる、デシリットルの「デシ」を付けたものです。

 
 

 
 

デシ【d】という単位は1/10を意味し、センチ【c】の1/100や、

ミリ【m】の1/1000などに比べると、ややマイナーです。

 

たとえば1dmとかけば1通のダイレクトメールではなく、1デシメートル、

つまり10センチを意味します。

 

そこで10分の1ベルであるデシベルとは何のためにあるのか?

いやそれよりも問題なのは、その元の単位である

 

@「ベル」とは何ぞや!Aなぜ使うのか!

 

お答えします!します!します!・・・ それは、それは、それは、・・・

 

@あらゆる倍数を、「10の何乗か?」で表してしまおうという手法なのです。
 

しかしこの難解さが
 

Aそれを語るエンジニアの自尊心をくすぐり、

A時には本当に便利だからなのです。

 
 

 
 

 

 

 
 

 それでは簡単な表示から始めましょう。

 

 
 10倍は

 

 
 10の1乗倍です

 

 
  そこで10倍は1ベルとします

 

 
 100倍は
 

 
 10の2乗倍です
 

 
  そこで100倍は2ベルとします

 

 
 1000倍は
 

 
 10の3乗倍です

 

 
  そこで1000倍は3ベルとします

 

 
 

 以上を 1/10ベル である デシベル にすると

 
 

 
   10デシベル=1ベルすなわち10倍
 

 
  20デシベル=2ベルすなわち100倍
 

 
  30デシベル=3ベルすなわち1000倍
 

 
 

 この様子を表にしてみます。
 

ベ ル 1B 2B 3B
デシベル 10dB 20dB 30dB
乗 数 10 10 10
倍 率 10 100 1000

 

 こうして10000倍なら、10の4乗倍で 4ベル=40デシベル と、

 10倍おきの場合、「10の何乗か?」で表すのは分かりやすいのですが、

 
 


 

 と質問が来るはずです。

 

 では 10の何乗 という時に、1乗の下は無いのでしょうか・・・。

 そういえばありました。 0乗です。

 

 さらに小さいものといえば、マイナス1乗 というのもあります。

 

 算数では 10のマイナス1乗 は 1/10 をあらわし、

10のマイナス2乗 は 1/100 をあらわします。ということで、

 
 

 
      1/10=10−1=−1ベル すなわち ―10デシベル
 

 
   1/100=10−2=−2ベル すなわち ―20デシベル
 

 
 1/1000=10−3=−3ベル すなわち ―30デシベル

 

 
 

 これも、表にしてみます。

 

−3B −2B −1B ベ ル
−30dB −20dB −10dB デシベル
10−3 10−2 10−1 乗 数
1/1000 1/100 1/10 倍 率

 

 では「10の0乗」について、あらためて考えてみましょう。

 

 
  実は乗数には 「掛け算」  を  「足し算」 、または

 
          「割り算」  を  「引き算」 するシステムを持ちます。
 

 
 

 例えば  10×100=10 × 10=10 + =10=1000     または 
 

  10÷100=10 ÷ 10=10 − =10−1=1/10

 

 という具合ですが、割り算つまり乗数の引き算を使って 10の0乗 を作ってみます。

 

10÷10=101−1=10

 

 この式の最初の部分をよく見ると 10÷10=10÷10=1 
 

 というわけで 10の0乗 は、1 です。
 

 これはデシベルの話と直接関係ありませんが、例えば 6835や76やの 0乗 でも

 

      6835=68351−1=6835÷6835=6835/6835=1

 

76=761−1=76÷76=76/76=1

 

1−1÷=1

 

 という具合にあらゆる数値の0乗は分子と分母が等しい分数、つまり1になるのです。

 

 話をデシベルに戻すと、10の0乗倍 である 0ベル(B)=0デシベル(dB) は、1倍となります。

 

 ここまでを表にしました。

   

−3B −2B −1B ベ ル 0B 1B 2B 3B
−30dB −20dB −10dB デシベル 0dB 10dB 20dB 30dB
10−3 10−2 10−1 乗 数 10 10 10 10
1/1000 1/100 1/10 倍 率 10 100 1000

   

 さてそれでは肝心の2倍や3倍の表し方に入りましょう。実は0と1の間には小数というものがあります。

 

 そこで乗数も小数点付きのものを考えてやればよいのです。

 

 実際には 10の0,1乗 (=100,1) ということですが、この数値の意味するのは、10の10乗根、

 つまりある数値を10回かけ合わせると10になる数値です。

 

 「ナントカ乗根」という感覚を分かってもらえるように、下のパネルを作りました。

 
 

 
 

 ここで皆さんは電卓を用意してください。
 

 用意が出来たら  「1,259」  という数値を打ち込んでください。

 

 これが  10の10乗根、 すなわち 「何か同じ数値をを10回かけ合わせたなら10になる数字」
 
 つまり
  10の0,1乗  の近似値です。

 

 ただし、この部分がわかりにくさのピークといえますので、ぼんやり感じていただければOKです。

 

 これを今まで学んできた ベル で表現すれば 
 
           100,1=0
,1ベル
                =1/10ベル、    
 
 これはまさに 1デシベル の値です。
続いて「×」のボタンを押して「=」を押すと、
 電卓の表示には 10の0,2乗 である 1,585 が出るでしょう。

 

          2デシベルは   1,585≒1,6倍   
  
 という値なのです。この動作を式で表すと

 

    100,1×100,1=100,1+0,1
                        
=100,2          
 
 
ということになり、
もう1回「=」を押せば今度は 
 
           3デシベル=1,9956
                   ≒2倍   

 

 電卓によっては1,259をもう1度かけます。この動作も式で表すと

 

         100,1×100,1×100,1=100,1+0,1+0,1
                           =100,3

 

 こうして9回「=」を押せば 、10デシベル つまり  10,0059≒10倍      
 
 となるわけです。
これも、パネルにしました。
 
 

 
 

 そこで計算結果を表にしてみました。小数点4桁以下は四捨五入しています。

 この中でよく使われるのが、3dBの約2倍、 5dBの3倍強、 6dBの約4倍、 7dBの約5倍  などです。

 

 ただし表を見ても分かるように、7dB がちょうど 5倍 という数値ではありません。

 それなのに実用的にはあまり支障がないのです。

 

=の回数 0回 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
デシベル 1dB 2dB 3dB 4dB 5dB 6dB 7dB 8dB 9dB 10dB
乗 数 100,1 100,2 100,3 100,4 100,5 100,6 100,7 100,8 100,9 101,0
倍 率 1,259 1,585 1,996 2,512 3,163 3,982 5,014 6,313 7,948 10,006
概 数 1,6倍 2倍 2,5倍 3倍強 4倍 5倍 8倍 10倍

 

 というのも、例えば音声の信号を扱う場合、楽器や声の気まぐれな音量変化のほうが、よっぽど大きな影響となるからです。
 自慢ですが、こんな表は世界初なので、よーく見て下さい。

 

 さらに 9dBは約8倍 ですが、よく見ると 2倍の3dB と 4倍の6dB を足し算したものになっています。
 すなわち

 

 
 8倍=2倍×4倍=3dB+6dB
            =9dB   
 
これは下のようにも書けます。

 

8倍=2倍×4倍=100,3×100,6

=100,3+0,6

=100,9
          =0,9B
          =9dB

 

 

 というわけですし、別の組み合わせで下のようにも書けます。

 

 
 8倍=1,6倍×5倍=2dB+7dB
             =9dB  
 
これは下のようにも書けます。

 

 8倍=1,6倍×5倍=100,2×100,7
                  =100,2+0,7
               =100,9
              =9dB

 

 

 他にも例を上げると

 

 
   10倍=2,5倍×4倍=4dB+6dB
                 =10dB      
 
さらに、表の外側まで発展して、

 

   32倍=4倍×8倍=6dB+9dB
              =15dB  

 

 

 ということも予測できます。さらに 50倍は10倍×5倍 で、5倍になるのは表より 7デシベル ですから

 

 
  10倍×5倍=10dB+7dB
          =17dB   
 
これは下のような組み合わせでも書けます。

 

  10倍×5倍=10×100,7

  =101+0,7

  =101,7
         =1,7B
         =17dB

 

 

 となりますし、別の表現方法として

 

 
10倍×5倍=2倍×5倍×5倍=100,3×100,7×100,7

                 =100,3+0,7+0,7

             =101,7
                     =1,7B
                      =17dB

 

 
 

 このように「10の何乗か?」であらわすと、50という数は、10の1,7乗 であり、

 

 10×5 という掛け算が、デシベル表示では

 10+7 という足し算になるわけですが、ここで一度、脳を休憩させることをオススメします。

 
 


 
 
あとがき 
 
 
 

   では続けましょう。