あ と が き

 


                                                                                         

                                                

 

デシベルの説明文を見ると、そのほとんどが「log」という対数の式を挙げて

終わらせています。

 

「あとは各自、対数を勉強して理解せよ。」ということでしょうか。

しかしデシベルの説明とは、対数の概念そのものを説明する事なのです。

 

これは「お箸」というものについて、全く何も知らない外国人が、

「ざるそば」を食べるシーンに似ています。

 
 

その外国人が、隣の日本人に説明を求めました。

 

「これはどうやって食べるのですか?」

 

すると、日本人はやさしく答えました。

 

「とっても簡単です。目の前にある割り箸を使えばいいんですよ。」

   

 
 

・・・・おそらくこの外国人は、手で食べることになるでしょう。
 

もしくはテーブルの上を麺だらけにして、あきらめるでしょう。

 

一方、日本人はちゃんと説明したつもりになっています。
 

彼にとって、真ん中に切り込みのある、この小さな木片の使い方

などは、常識中の常識だからです。

 

しかしこのような場合、割り箸の取り扱いや、お箸の持ち方

まで、きちんとマスターさせなければならなかったわけです。

 

ではなぜこのようなことが起きたのでしょうか。
 
それは多くの人の頭の中で
 
「知っているという事は、教えられるという事。」
 
と思い込みをしているからなのです。

 

知識の吸収や理解は脳にとってインプット作業ですが、教えるのはアウトプット作業で、まったく別の作業なのです。

 

お花見のシーズンを迎える時、あなたは桜の花を、どのように説明しますか?

 

「私はこのような事を知っている。」と表明する作業を「教えている。」と思い込む可能性を、再確認してはどうでしょうか。

 

インとアウトは違う。
 
それは「食事と排便は違う。」というくらいの認識が必要で、電気製品に付いてくるマニュアルが分かりづらい理由も、ここにあります。

グラハム・ベル 1847〜1922 スコットランド 電話を発明

 

 
 

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