未来の人間にとって絶対に必要なことは宇宙旅行、つまり地球からの脱出です。何故なら50億年後には太陽が燃え尽きてしまうからです。

しかしヒトは現在のサイズでは大き過ぎ、また重すぎて重力の変化に弱いのです。そこで、一つの例として1万分の1の大きさになれば、体重は5グラムほどになり、ジャンボジェットサイズの機体に500万人が乗れます。

ちなみに、人類によって地球環境が汚染されてしまったとか、エネルギーを使い果たしてしまったといった理由で、地球から離れることはありません。それらは、必ずヒトの英知で解決できるからです。


        


5グラムと言うとアメ玉1個程度となり、脳の容積が問題になりそうですが、不足分はクラウド的なもので補うことになるでしょう。

この条件で同じものを1000機作れば、50億人が搭乗でき、地球脱出が、より現実的になります。ちなみにボーイング747だけでも、1969年から2014年の間に1500機が納入されています。

50億年後はずいぶんと先のように思われますが、その間にかなり大幅な進化をしなければなりません。ただし自然な進化というより、人為的な品種改良のようなものに近いでしょう。

というのも、一般的に進化は現状に合わせておこなわれてきていて、まだ来ぬ未来のための進化というのは、起きようがないからです。

品種改良で有名なのはイヌです。500以上の多品種を誇るイヌという生き物は、大自然には存在せず、ヒトがオオカミから作り上げたもので、よく神様がおこらなかったものだと、感心します。


         


つまりヒトはイヌにとって神様(創造主)のような存在であり、この事はイヌがヒトを大好きになる理由でもあります。ここで一句。

       「バカイヌを つくり出すのは バ飼い主」

出来ることなら、私たちはハリウッド映画のように、現状のまま宇宙へ旅立ちたいのですが、この姿は地球に特化しすぎて、エネルギーの損失も多く、宇宙旅行向きではありません。

例2として更に宇宙旅行向きなスタイルがあります。それはヒトのDNAを持った微生物です。宇宙線にも強く、寿命は1万年だとすると、光速の1万分の1の速度(時速11万キロ)で飛べば、1世代で1光年の距離まで到達できます。

これではまだ「オールトの雲」までしか行けませんが、数世代後にはもっと遠くに行けるでしょう。木星探査衛星ジュノーが時速26万5千キロなので、速度が数倍になれば、何光年も距離が伸びます。


            


実際には100万年生きる微生物もあり、到達した新しい地球で最初から進化するのではなく、現地で解凍するデータファイルのように展開するべく、広い宇宙を旅します。

ヒトがヒトのかたちのまま宇宙へ行くのは、音楽をデータでダウンロードするのに対し、楽団を家に呼ぶようなことになります。

また星の距離が縮まるチャンスもあります。それが天の川銀河とアンドロメダ銀河の衝突です。衝突と言っても星同士がぶつかる確率はひくく、数光年の隣りに別の太陽系が引っ越してくるかもしれません。

そうした遠い未来の話をされても、どうせ見ることはできないのだからと、無関心になりがちですが、たとえ見ることができたとしても、あまり感動は無いかもしれません。

地球が46億年かけて作った、この現在という奇跡の瞬間に対し感動がない人間ならば、未来に何が起きても同じことなのです。

本格的SFの世界を感じ取るためには、現実もよく見る必要があります。バックトゥザフューチャーでは、空飛ぶ車や浮かぶホバーボードがありましたが、スマートフォンはありません。


          


ではどちらが未来的に有効だったかといえば、車が空を飛ぶ代償として、スマートフォンを取り上げられた生活を考えれば分かります。

つまりフワフワみんなで浮かぶのは気持ちよさそうですが、実生活ではそれほど重要ではないのです。一方AIの発達で、ヒトは何もしなくて良くなってしまうのではないかと心配されています。

ところが宇宙では何もせず、エネルギーを使わないことが重要です。宇宙旅行の間に、乗員同士のいさかいやケンカが起きるのは、夢のような出来事となるでしょう。

そして宇宙に飛び出すとき、もはや発射エネルギーすら使わないかもしれません。太陽は燃え尽きる前に巨大化して、その直径は太陽の中心から地球をはるかに超えます。

つまりみすみす巨大化する太陽に飲み込まれ、溶かされるくらいなら、すい星を誘導して地球に衝突させ、そのエネルギーで宇宙に飛び出すのです。


       


一見乱暴な計画ですが、ここは「地球に優しく」などと言ってる場合ではありません。これにより得られるエネルギーは、人間の作る全核兵器の総和の比ではなく、予想外のスピードが出せる可能性があります。

このような極めて強い衝撃に対しても、微小構造は有効です。そして到達した地球の環境に合うよう、ファイルが徐々に解凍されてゆくわけです。

その時私たちの姿は、どのように復活されているでしょうか。ところで話は前後しますが、私たちが未来に向けて形を変化させるとしたら、そのイノベーションの源はなんでしょうか。

まず国家などによる強制的変化や宗教もしくは思想などによる変化は、結局のところ組織がからみ、長く続かないので、ダメでしょう。

つまり自主的に、あるいは知らないうちに自らを品種改良する事になり、そこで役立つのは意外にも、「美」のエネルギーであろうと考えます。


     


このとりとめのない美という概念は、生殖や娯楽をはじめとして、経済や政治でも、常にあらゆるところで驚くべき機能を発揮しています。

また歴史上あらゆる時代においても、その形を変えて、柔軟に、ヒトだけでなく様々な生物、おそらくは恐竜に対してさえも支配力をもっていたでしょう。

例えばダイエットやボディビル、整形手術や纏足、コルセットや機能性ブラなど、生命の危機をも乗り越えて形態を変更する行為は、今でも日常的に確認できます。

しかしながら学術的には美術や哲学及び心理学、そしてせいぜい生物学などに限定され、美が宇宙の秘めたるエネルギーとして、天文学や宇宙物理で語られる場面はありません。





歴史を振り返ると、宇宙は電気エネルギーを用意していて、ヒトは紀元前からその存在を充分知ってはいましたが、19世紀まで4千年以上本当の活用方法は分かりませんでした。

同様に、人類が他の生物にはない未来予測能力を持ち始めた現在、美を進化アイテムと自覚し、意識的にコントロールする日が来るのか、あるいは知らないうちに、美によって誘導され進化してしまうのか、全くわかりません。

いずれにしても、宇宙がもたらした生命といいうシステムは、物質の生成システム同様、そう簡単にどこかで途切れてしまう事は無いでしょう。

すなわち水素からヘリウム、更には超新星爆発の核融合により様々な元素を作り続けている宇宙の実験室では、同じく生命の実験もまだまだ終われないはずで、それは「死を悲しむ心」という理由なき存続願望の存在が証明しています。

また私たちが地球にやさしくしようと頑張っているのに、地球(宇宙)は残酷で、何度も大量絶滅を繰り返します。

そこで生命体はそれに対抗すべく、極めて多くの種類に分化し、いかなる地球からの攻撃に対しても、その中のどれかが、必ず生き残れるようにしています。


             


その点人類は分化していませんが、助かる人間とそうでない人間は、地位や経済力ですでに分化されているのでしょうか

このように生命がたくましく生きる中、宇宙のバイブルでは暗黒物質まで確認され始め、今なお綴られ続けています。よってどのようなヒトでも勝手に神の名を用いて結論を出すことは、許されていません。

その中で「ウザイ!」と言われながらもしつこく問い続けたいこと。美とは?それに関連する予見として、生命体が小型化する可能性の中に、ペットの世界が挙げられます。

最初は手のひらサイズのイヌやネコから始まり、ウマやライオン、ゾウやキリンとエスカレートし、とうとう禁断の人体実験が行われます。

と言っても品種改良ですから、意外と倫理観は問われないかもしれません。そのうちに、人体のサイズは個人の自由となって、様々なサイズの人々が街を歩くわけです。


               


一般に、地球に最も負荷をかけているのは人類なので、Sサイズのヒトがエコだということになり、アメリカにおけるかつての日本車のように、Lサイズのヒトが減ってしまうという展開もあります。

なにしろ消費するエネルギー、水、食料すべてが大幅に減少しますから、相対的に豊かな暮らしができるのです。もちろん家畜などは今のままのサイズでよく、飼育は自動化されます。

2分の1サイズの世界になると、面積は4倍、容積なら8倍に感じられ、狭い3畳間は12畳の寝室へ、6畳間は、24畳の広大なリビングになり、天井高は5m以上なのでメゾネットつまり内部を2階建てにもできます。

ただしLサイズのヒトを、Sサイズの家に招き入れることはできません。ガリバー旅行記やアリスは、こうした未来を描いたものでしょうか。人類の想像力には必ず訳があると言われますから。


       


例えば笑顔で会話をしながら、仲間に品定めのメールを送っている合コンの風景などは、まさにテレパシーそのものです。

いずれにしても人類の小型化は、限りある地球の様々な限界点を、上方修正するに値する画期的な行為で、逆に現状のサイズに固執する理由がどこにあるのか、思いつきません。

もちろん地球脱出とまで言わずとも、2分の1になっただけで、8分の1の酸素消費量は、惑星間移動に対し有効です。

また倫理的観点から、人体を変化させる事が問題ならば、ハツカネズミなどの実験動物の脳をヒト並に向上させ、未来を担ってもらうという手もあります。