Q : 神様はどうして、ヒトを最後にお造りになったのでしょう。

A : ネコやサルでは、この天地創造という偉業に、まったく気付いてくれないからです。

かように神様の存在は、ヒトと共にあると言えます。

またヒト以外の生き物では、神様どころか、酸素の存在すら気付いていません。


         


(酸素=18世紀に、スウェーデン、イギリスなどで、燃焼に関わる物質としてその存在が発見、命名された。)

私は神様からではなく、母親から生まれました。さらに人体の主な構成元素、つまり炭素や酸素も、ヘリウムや水素(※)などを基にした核融合から生まれたので、神様の仕事ではありません。

そして核融合自体も、重力による極めて高い圧力と、そこから発生する超高温によるものなので、神様の仕事ではありません。

確かに地震や噴火、または台風などの天変地異は、重力によって引き起こされています。と同時に、太陽の光や熱など様々な恵みも、重力による圧縮の引き起こす、発熱があってこその話です。

となると、神様の仕事とは、宇宙のシステム、つまり重力発生システムをセットし、スタートさせた。ということなのでしょう。そこで、そのスタート後について考えてみます。

まず古い記述から、神様はヒューマニティ、つまり怒ったり微笑んだり、感情を持っていると分かっています。また時には、かなり残酷な裁きも行います。


     


神様が重力をスタートさせた時、それは特上のシチューを煮込むため、IHコンロのスイッチを入れる時のような、期待に満ちた思いがあったに違いありません。温度設定は「弱」と「中」の間くらいでしょうか。

それからコトコト、コトコト138億年経ちました。途中、あんまり銀河がかたより過ぎて焦げ付かないよう、かき混ぜたこともあるでしょう。

そうしてやっと最高のシチューが出来上がったと思った時、その味を共感する者が誰もいないと気付いたのです。あわてた神様は、もうひと手間かけて大至急ヒトを造りました。

しかしあまりにも急いだので、出来上がったのは未完成な物、というか凡人でした。予定していた、本格的なグルメではなかったのです。


         


「・・・ま、なかなか、・・・いい出来なんじゃない?・・・。」神様は自分にウソをつきました。

こうして出来上がったヒトは、その後も熟成を続け、よりイイ感じになったのですが、未完成であることには、変わりありません。

すなわち、ヒトは驚くほど素晴らしく、同時にあきれるほど愚かであり、両者の関係は、まさに光と影といえます。

もし歴史を知ることによって愚かさを学べたら、数千年前に、この世から戦争は無くなっていたでしょう。ところが学校などでは、素晴らしくあれとだけ教えます。


      


その理由は、万人の持つ愚かさを教えようとする場合、まず先生が自分の愚かさを、きちんとさらけ出せないと、リアルな授業にならないからです。

とは言え、そのようなことは愚かさ故に、己のプライドが許さないでしょう。あるいは自分の愚かさに気づいていない先生も、多いでしょう。

そこで歴史上の第3者を引き合いに出し、みんなでその愚かさを指摘するという図式をとります。しかしこれでは「自分たちは別として、愚かな人間がいた。」と思うだけで、何の学習にもなりません。

まるで「自分だけはオレオレ詐欺に引っ掛からないと思っていた。」と語る被害者たちや、事故後に聞く高齢ドライバーたちの弁明のようでもあります。


         


ここでもう一度思い返してみると、愚かさの「そもそも」は、神様が自分についたウソが原因であって、私たちが悪いのではありません。

おまけに愚かさは、パラリンピックに見られる、障害者の驚くべき身体カバー能力や、AIをも開発する無限の頭脳を持つ代償なので、恥じて隠すのではなく、恥じてカイゼンすることを目指せば良いわけです。

また自分に能力がないと思えるようなものは、そのほとんどが、この世に生まれた時の、担当すべき役割に、たまたま遭遇していなかったためと考えられます。

ヒトの個性が多岐多彩(※※)にわたってしまうのは、なぜこれほど膨大な種類の生物が、地球上に生息しているのかに似ています。

地球を含めた宇宙は、生命に対し、全く容赦ない仕打ちをしますから、ありとあらゆる宇宙からの攻撃に出会っても、数え切れないほど多種類に分岐し、その中の数種が、必ず生き残れるようにしているのです。


     


この指令は宇宙を生き延びたDNAから発せられていて、体力が勝るからとか、記憶力が良いから生き残れるといった、単純なものではありません。

ヒトは「地球に優しく。」と発信する一方、地球は「ヒトに優しく。」などとは全く思っていないので、様々な個性を団結させて生き延びなければなりません。

なぜ生き延びなければならないのか?それは宇宙という時空がどんどん先へ進んでゆく中、あなたもその宇宙の一部だからです。

私たちヒトは、他の様々な生物と共生、活用しながら、神様の唯一の理解者として生き続けることこそが、宇宙での役割で、神様もそう望んでいらっしゃることでしょう。


         


そのためには余分なプライドを脱ぎ捨て、個人的な問題は一刻も早く共有し、生命存続のチームに加わってください。そこで何をするのか?「自分自身が生まれた理由」を見つけ出してもらいます。

それに要することが出来る時間は、近年なら、およそ100年間です。


※)水素=酸素と結合するとき、激しく燃えて水になる。空気より軽く、ヒットラーが軍事用気球を造ったとき、内部に充填した。

もちろんヘリウムの方が安全だとわかっていたが、アメリカが主な産出国である一方、ドイツ周辺の地殻からは産出できず、苦肉の策と言える。

当初燃えやすい水素ならば、一発でも銃弾を撃ち込めば大爆発を起こすだろうと、誰もが考えていた。

しかしあまりにも大きな水素のかたまりだったため、ほとんど酸素と結合できず、何発銃弾を打ち込んでも、なかなか撃ち落とせなかった。

つまり水素による気球の中心に、火のついた材木などを放り込んでも、周りに酸素がないので、爆発どころか、すぐに消火されてしまうのだ。

水素は酸素さえなければ、ある意味安定している。「あんたは酒さえ飲まなければ・・・。」と、何度もたしなめられた記憶が重なる。



     


(※※)人類における優生学とは、いわゆる賢い子供を造ることではなく、多様性をしっかり理解できる子供に育てることである。





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