テレポーテーションとは瞬間移動を言いますが、その「瞬間」とはどれほどの時間経過を指すのでしょう。

例えば飲み屋にいたはずなのに、自宅に戻っていたというのは、まわりの人達にとって、充分はた迷惑な瞬間の移動だったかもしれません。

別の例として、東京・大阪間(約400km)を1秒で移動できたとしても、光や電波の750分の1の速度でしかありません。これを瞬間と言って良いのでしょうか。

またとても速い光は、太陽から地球まで8分かかり、カップラーメンさえ少しデロデロになりかける8分を、瞬間と言っていいのか、悩むところです。


           


一般に物理の世界では光より早いものはなく、どんなに早い乗り物から光を発射しても、光の速度は変わらないとされています。

そうした中、本当の瞬間移動は、もっと身近で起きてるようなのです。物質の元である原子では原子核の周りの一定の軌道上に、電子が回っています。

しかし電子がひとつの軌道から別の軌道へ移動する時間がゼロらしく、つまり、あってはならない光以上のスピードが存在していることになります。


          


そこでこれを移動とは考えず、消滅および出現と考えたらどうでしょうか。

例えばパチンコの玉を粘土に押し込むとします。この作業はどんなにゆっくり行っても、玉が周囲の空気中から完全に消えた瞬間に、粘土中に完全に出現したといえます。

一方で重力(引力)というのは、相互の距離が極めて短いとき異常に強力となり、空間を曲げることができます。そこで別の場所なのに、隣接した場所と同等状態になるのかもしれません。

別の言い方をすると、2点間の距離がゼロならば、物質の速度に関係なく瞬間移動が可能で、それには重力による空間の湾曲が必要となるわけです。


           


しかしこのような超微小な世界ではなく、私たちが普通に生活するサイズの世界で、空間が曲がるほどの強い重力を発生させるには、ブラックホールが必要となってしまいます。

その為には極めて大きなエネルギーが重要ですが、それよりも、もともと「そのもの」を送るのは、とても難しいことだと認識する必要があります。

日頃使う電話やテレビというのは、実は画像(光)も音声も「そのもの」を伝えているわけではありません。

音声なら紙やフィルムなどの振動、画像なら色付き発光体の組み合わせであって、本来私たちは、その情報以外何も送ってはいないのです。


       


そのものを送っているのは、宅配や郵便局や、ピザの出前の人たちです。つまりテレポーテーション以前にやれるべき事は、物体の情報による伝送となります。

そしてこれはかなり進んでいて、田舎のお婆ちゃんやお爺ちゃんが、都会にいる孫をバーチャルに抱っこできる日は、もうすぐでしょう。

そこでは重さだけでなく、柔らかさやぬくもりも感じ取れます。ただし匂いに関しては、まだ少し時間がかかりそうで、実現には記憶の操作のようなものが使われる可能性もあります。

つまり視覚や聴覚の助けを借り、ちょっと脳波を操作して、プラシーボ効果を演出することにより、匂っていると錯覚(※)させるのです。


          


ただしこの方法は、見えたものに対する匂いの記憶がないと再現が難しく、匂いのエラーが起きることもあるでしょう。あるいは超音波で匂わせる技術なども、面白そうです。

そうなった場合、火事や災害で避難する時などは別として、あえて移動する意味が減少し、「テレポーテーション?別に出来なくってもいいかな。」などと思うかもしれません。

実際に現行の技術でも、太平洋をまたいでの日米腕相撲大会や、綱引き大会などは充分実行可能です。





この場合、両者が綱を引き始めたその時、日本からアメリカへ、またはアメリカから日本へ、選手たちが全員瞬間移動したのと同じことが起こります。

ちなみに遠くの画像(光)そのものを見るのは、山の風景や月、星、原爆のせん光などで、遠くの音はカミナリや銃声、地雷の破裂音などとなります。

またお気づきかもしれませんが、3Dプリンターというのは,、匂いで例えると、相手先に様々な薬品を用意するリアル方式となるので、バーチャルとは少し路線がそれます。

(※) 錯覚を起こすのは、頭が悪いからでも、頭がおかしいからでもなく、
    極めて自然な現象で、恥ずかしいことではありません。

    「自分は錯覚なんて起こさない。」と思うのは、それ自体が錯覚です。

    
    詐欺師が無くならないのは、「自分はバカじゃないから、ダマされるはずがない」
    という、誰もが必ず持っている錯覚を、巧みに活用するからです。

    バカであろうと無かろうと、錯覚がある限り、ダマしは無くなりません。








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