最近連日のように、高齢者によるクルマの暴走事故が報じられています。そして多くの場合、アクセルとブレーキの踏み間違いが原因とされています。

ところで運転といえば、高度にレーシングカーをシミュレートしているゲームの代表として、グランツーリスモがあります。

もちろんゲーム性や処理能力の制限から、時速300キロで衝突しても、クルマが壊れることはありません。しかし運転の感触は、かなりリアルに感じることが出来ます。


         


このようなレーシングゲームではありますが、意外にもブレーキングのシミュレーションから、いくつか教訓が得られました。

つまりレースでクルマを速く走らせるには、アクセルを踏むだけで十分と思っていたら、そうではなかったのです。

クルマでの走行中にブレーキをかけると、車体が前につんのめるようになります。その結果前輪が強く道路に押され、タイヤと道路間の摩擦が増えます。

この状態は車重が前輪に強く掛かるように変化させたのと等しくなり、これを前輪への荷重移動とよびます。


           


こうして、早い速度でも、前輪が道路をしっかりグリップし、クルマが曲がりやすくなる、すなわちブレーキは曲がる為のものでもあったわけです。

ブレーキは減速や停止だけの道具と考えていた私にとって、これは驚きでした。もしかしたらブレーキングという行為を、私たちはネガティブな行為だと考え勝ちなのかもしれません。

確かに日頃の運転におけるブレーキングは、少しイラつく赤信号の停車時くらいですが、急な停止時にブレーキが遅れるのは、日頃ブレーキ操作の機会が少ないからでしょう。

そして逆に踏み慣れているアクセルを、誤って踏んでしまうのです。これはペダルを踏む様子を見る、教習シミュレーションテストによる実験結果にも現れています。

私が見た映像では、ブレーキをかけるべきところで、足がアクセルとブレーキの間を踏んだり、アクセルの端を踏んだりと、かなり危険性が潜んでいると分かりました。


           


ところが日常走行では、そう頻繁にレーキを踏む機会がありません。そこで極めて頻繁にブレーキングが必要な、サーキット走行のバーチャル体験が必要となるわけです。

もちろんバーチャルレースでは、クルマ同士の衝突、追突、あるいは壁に激突など、失敗を恐れず、何でもありで走行を楽しむうちに、ブレーキングのコツがつかめます。

ちなみに実際のレースでは、頻繁に行われるブレーキングでブレーキディスクが熱くなり、真っ赤になることもあるほどです。

ただし勝ち負けに支配され過ぎると、他車に衝突してでも先へ行こうとする見苦しいクセがついてしまうので、強い意志を持ち、クールでスマートな走りを心掛ける必要があります。


          


そしてブレーキに対する意識や運動反射は、クルマのみならず自転車の走行などにも自然と反映されます。ですからお年寄りや小学生にこそ、グランツーリスモをおススメしたいのです。

ところで慣性の法則では、動く物質は動き続けようとする性質があると説明しますが、クルマを運転する人の心にも慣性の法則が発生するらしく、ブレーキを踏みたがりません。

これは、早く目的地に行きたいという気持ちとは別に、やり慣れないブレーキ操作を、面倒なものとして捉えているからではないでしょうか。

例えばゴミの分別や消費税など、初めて規則が施行された当時は、とても面倒なことに感じていましたが、今ではそうでなくなり、若い人たちなら、もはやは当たり前のこととしています。


    


私たちは減速と停車、それに続く発進の持つ、一見面倒と思える負のイメージを、バーチャルレースの活用で、よりやり慣れた習慣と感じるように、意識を変える必要があります。

次にもう一つの教訓がコーナーリングにもありました。カーレースでは直線はもとより、カーブを出来るだけ速く曲がらなければ勝てません。

ゆるいコーナーなら、ほとんど減速せずに通過できますが、きついコーナーではしっかり減速しないと、コースアウトしてし、結局遅れてしまいます。

つまりそれぞれのコーナーには、最適な侵入速度と走行ラインがあって、そこを追求した限界の走りで通過することが重要となります。


   


このことは社会における人付き合いと同じだと言えます。人にはそれぞれ異なる思いがあるので、最適な言い回しや、説得に必要な時間があるでしょう。

急ぎ過ぎる説得や強引な言い回しは、考え方のすれ違いが起きやすく、結局コースアウトとなって、効率よく先に進めません。

だからと言ってノロノロ運転で当たり障りなく言葉を交わせば、無難に通過できるかわりに深い話はできず、物事も進展しません。

コーナーリングを極めることは、少し頭の固くなってきた人や、これから成長してゆく人たちにとって、人間関係の向上にもつながる、とても有益な行為だと言えるでしょう。

ハンドルコントローラーとペダルのセットは約3万6千円ですが、その後は何年間も使いますから、レジャー費用としては決して高くありません。


      


これにPS4 とGTスポーツのゲームソフトが必要です。しかしながら、ブルーレイ再生、他のゲームでの利用など、用途は他にもあります。

以上の機材で精力的にレースに挑み、漫然と勝って喜ぶだけのゲームではなく、ブレーキングとは何か、コーナーリングとは何なのかを、ぜひ広い意味で学び取ってほしいと思います。

本物のレースでは危険も多く、またお金もかかり過ぎますが、バーチャルなら一回の投資で遠慮なく何度も、チャレンジできます

大事なのはペダルとセットになったハンドルコントローラーを使う点で、この違いこそが、普通のコントローラーや、スマホなどによる、お手軽レーシングゲームとの、徹底的な差と言えましょう。

またスポーツタイプの自転車に乗りながら、発進や加速が面倒だからと、減速や停止を怠りがちな人は、グランツーリスモとともに、スポーツタイプのアシスト自転車に乗り換えることをオススメします。


        


アシスト自転車は自転車の名を冠しているものの、日本発の新たな乗り物です。これにより発進や減速、加速の煩わしさがグッと減ります。

ただし、今までにない後輪タイヤの摩耗に注意して、タイヤ交換を忘れないでください。また自転車とはいえ、人身事故を起こせは、一生を棒に振る場合もあることも、忘れないでください。

市街地では、減速、停止、発進、加速の全てが均等に行えるように、自分の能力を発達させる必要があります。

未熟な走行から、一刻も早く脱却しましょう。


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