実際に回路を組んでみるとプレート電圧は1500Vくらいの方が良いとわかりました。また6N8Pのカソードフォロワは0,7倍、6BK4は78倍で、トータルのゲインは55倍となりました。


                


周波数特性や:歪率は下の様になりました。出力インピーダンスが極めて高い球なので、高域カットオフ特性は、オーディオギリギリの20kHzです。

ゲインについては6N8Pを両ユニットパラにすると、60倍になります。


    


      


歪率は全体的に高い一方、300Vrms、つまりピーク値420V(P−P840V)まで、クリップなどは起きていません。


             



もしこれ以上のゲインを求める場合、やや強引にカソードチョークフォロアドライブとすれば、グリッド電流の非直線歪も緩和され、若干低歪となります。


            


緑のカーブを見ると200Vrms、つまり280Vくらいまでなら3%の歪でスイングできることになります。


       


ということで、今まで蚊帳の外とも思えた6BK4が、何とかオーディオ界において使用可能とわかりました。またこの球を良く見ると、各電極が垂直(上下)に配列されていて、これは近代管にしては珍しい存在ではないでしょうか。

相変わらず真空管は、私に奥深い楽しみを見せてくれています。今後はこれを基本形に、より優れた増幅回路へと仕上げてゆきます。




つづく



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その2
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