今回は電源トランスがありあわせで、またOPTは手元にあったタンゴのFW−20−14Sを7KΩで使用し、インダクタンスを稼いでいます。こうして最終的に決まった回路は下の図のようになりました。

基本的に電圧増幅は12AX7パラレルで行い、12B4Aでインピーダンス変換します。807のプレートと第一グリッドにあるFBはフェライトビーズで、発振を防止しています。





外観の写真を見ると、手持ちのジャンクの寄せ集めといった感じです。一番手前がヒータートランスで、その奥が本来100V〜200V〜240Vのオートトランスを途中で分割して、1次100V、2次140Vに改造した電源トランス。これを倍電圧して使っています。

その左側にある銀色の丸いものは、はお菓子のブリキ容器で作ったチョークコイルのシールドケースで、まともなのはOPTくらいです。しかも配置が悪く、チョークとOPTは逆に取り付けるべきでした。そのうち直します。


         


         

            矩形波10kHzの無帰還時出力波形


         
内部は混沌としている。中央奥にある4つ穴のユニーバーサル基板は、試行錯誤しながら回路を組む時に、とてもベンリな実験デッキだ。


こうして出来たアンプの歪率と周波数特性特性を測ってみました。


      


最大出力3Wあたりで3パーセントの歪率と、ビーム管の無帰還シングルとしてはなかなかのリニアリティです。KNF(カソード負帰還)をかけると、1W以上で若干カイゼンされますが、1W以下ではかえって歪が増えています。

周波数特性は、3デシベル降下点が低域で25Hz、高域で35kHzと、思っていたよりワイドレンジでした。これはOPTの性能に負うところが大きいようで、KNFでさらに向上します。





音質は、くやしいけれどKT88PPを上回っています。正直おどろきました。KNFはあった方がよく、残留雑音も0,5mVから0,3mVとカイゼンされます。

こうなったらKT88も負けていられません。回路を変更して、対抗しますが、その様子は、近々KT88モノアンプのコーナーにてお知らせします。

次回はちょっと変わった回路の、807(3結)シングルアンプです。









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庶民派送信管
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