マックG4 アイアンシリーズ
その2 パソコン新時代の到来
クイックシルバーやMDDが発売された当時の価格は20万円から40万円していて、コンピューター1台であれもこれも出来ると重宝していました。
逆に言えばこれほど高価なものですから、いろいろやらせないと、非常にもったいなかったわけで、今日でも、ほとんどの人がそうした慣習の流れからか、1台のコンピューターに全てをやらせています。
しかし近年ではそこそこの中古パソコンを数千円(ジャンクなら稀に100円MACもアリ)で手に入れることも出来、例えば文章を書くだけのパソコン、ビデオをキャプチャするだけのパソコンなど、贅沢にパソコンを使える環境にあります。
そこでこのマックは、「ロジックボード(マザーボード)のアンプと内臓スピーカーでCDやiTunesなどネットラジオを聴くだけのパソコン」としました。もちろんパソコンですからネットも出来ますが、その辺はインテルワールドに任せておけば良いのです。
PCI基板のじゃまにならないよう、薄く作られていて、背面にはバスレフのダクトも付いている
一方マックに内蔵されているスピーカーは、上の写真のように直径3cmの割に、メタルコーンの使用、コンプライアンスの高いエッジなど、かなり高性能ではあるものの、やはりこのサイズでは限界があります。写真はMDDのものです。
ということでまずはスピーカーの改造になるのですが、フタを開けたとき空間があるからと言って適当に空きスペースにスピーカーを取り付けてしまうと、下の写真のような大型のPCI基板が入らなくなります。
グラフィックのAGP基板までレアな大型(G4対応128M)でキメてみました。
最近パソコンの後ろまで使う大型基板は滅多に見かけませんが、だからと言って使えなくしてしまうような基本性能に支障を及ぼす改造は、出来るだけやりたくありません。
こうした経緯で、鉄製のシャーシむき出し状態に、7cmフルレンジとツィーターという新たなスピーカーを取り付けたのが、MDDとクイックシルバーによる
鉄の貴公子「アイアンマックシリーズ」であります。
桧(ヒノキ)のバッフルは外観上のデザインとは別に、スピーカー後部の出っ張りをおさえ、内部スペースを確保する意味もあります。
ご覧のようにクイックシルバーとMDDはPCIスロットなどの位置が異なるため、全く違ったスピーカーレイアウトになります。またクイックシルバー本来の吸気口である穴あき部分は排気口とし、その右側に直径12cmの穴をあけ、吸気ファンを取り付けることにより、シャーシ内部をクールに保ちます。
写真では少し見えにくいですが、MDDのツィーターは下段DVDドライブの扉(ミラードア)中央部分に取り付けてあります。尚MDDはファンのレイアウトによる努力が報い、静音性でもクイックシルバーに負けていません。
外観は正面から見ると2ウェイのようですが、実は底面にもスピーカーがあり3ウェイなのでした。もちろんコイルとコンデンサーによるネットワークも入っています。
こうしてロジックボードのアンプだけで、ちゃんとスピーカーを鳴らすパソコンが出来ました。当然大型基板などの邪魔にならないよう、底面ウーファーのマグネットサイズに対しても配慮してあります。
とはいえ金属シャーシ全体が隙間だらけなので、重低音が出るわけでもなく、いわゆるスピーカーキャビネットの音とは一線を画しています。
しかし鉄のシャーシ全体で鳴る何とも言えないB級ローファイ感がたまりません。おまけにハイレゾの今どきモノラルですが、ともかく長時間聴いていて楽しい
鉄の貴公子「アイアンマック」サウンドが登場です。
またこのMDDは現在起動ディスクに80GBのHDDを3パーティーションに分け、それぞれ
@ OS 9.2,2 & 10.2.6 A OS 10.4.11 B OS 10.5.8 が入っています。
ロジックボードのバススピードは133MHzなので、1GHZデュアルのCPUを入れてありますが、システムプロファイルでは867MHzデュアルの表示となります。
さらに
OS 10.5.8 環境では
Safari 以外に、Youtube 用に
TenFourFox という
OS 10.4.11 用のネットアプリを入れて、若干動きが固いながらも Youtube の動画を全画面表示できるようにしました。
参照画面
ただし動画が始まって4秒くらいは何も映りません。動画らしくなるのは15秒くらい経ってからなので、それまではスライドショーだと思って見てください。なお
TenFourFox は基本的に
FlashPlayer を使いません。
FireFox やこのアプリケーションを提供している
MozillaのHPでは「FlashやJavaを望むなら
TenFourFox を使わないでくれ。」
(2重赤線)とまで言っています
またそれぞれのiTunesについて、
OS10.5.8には
ver.10.6.3、また
OS10.4.11に
はver.9.2.1と、どちらも最終バージョンをインストールしてあり、
さらなる音質の向上に向けて、「SoundFlower」と「AU Lab」もインストールしてあります。
ところでこうしてみると、いろいろカイゼンしたMDDに比べて、どうもクイックシルバー側にはあまり手をかけていません。これでは不公平なので、クイックシルバーにもさらなる改造を加えます。
つづく
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