特性カーブを計測してみると、なかなか素晴らしい直線性であるとわかります。ただしそれなりの出力を得るにはA1級からA2級まで動作範囲を拡張する必要がありそうです。

グラフからμ=14、Gm=2mSと読み取れ、プレート内部抵抗は7kΩとなります。


          


そこで好ましいであろうロードラインを引いてみました。残念ながらどちらもヒーター電力50Wの半分にも満たない値ですが、プレート損失が100Wなので、仕方ないでしょう。

負荷抵抗14kΩなら、ダンピングファクターは2程度と予測されます。


          


          


14kΩの出力トランスは、最近ヤフオクに出てきた自作タイプのトランスを使おうと思います。ブランド物もよいですが、せっかくの新しいトランスをどんどん試さないと、真空管ワールドが懐古趣味に偏ります。

またこのトランスは1200V以上の耐圧をうたっていますので、その部分でも安心です。


  


一方ソケットもフィラメントリードの熱に対する改造が進みました。まずリン青銅端子の下にL字アングルを挿入し、放熱効率を高めたのです





さらに側面にヒートシンクを取り付けて万全を期しました。このように放熱効率を上げておくと、結果的に弱い風力で冷却が可能になるので、ファンのノイズ低下に役立ちます。





だんだん大げさな展開になってきましたが、まあ仕方ないでしょう。それよりも今回のドライブ方式は、直結ドライブでもなく、トランスドライブでもない方法を採用することにしました。

それは単純なCR接続の変形で、CL接続です。バイアス電圧がプラス側の時はカソードチョーク直結が良いのですが、マイナス側の時はややメンドウになりますので、今回はCL型にチャレンジすることにしたというわけです。

もっとも、出力管のカソード電圧をカソード抵抗でかさ上げして、ドライバーの出力直流電位に合わせたものは一見直結ですが、実はカソードのバイパスコンデンサー(ケミコン)によるCR結合であることを忘れてはいけません。




つづく


その2 計測とソケットのカイゼン