VT-127Aという球を見たとき、カッコイイという感覚と、変なカタチという感触が同時に押し寄せてきました。つまりカッコよくて変な球なのです。
球の底の部分が黄色っぽくなっているのは、ウランガラスが使われているからだそうで、紫外線を当てると美しく光ります。もちろん私はそんなメンドウなことはやりません。
規格表の最後の方にも書いてありますが、この球の定格は100TLに近いようです(青い枠内)。ただしヒーター電力は100TLの1,7倍にあたる5V,10Aとなります。
おそらくレーダーなど、大きな瞬間的パルス電流を賄う為でしょう。パルス出力は10kWに及びます。しかしプレート損失の50%というヒーター電力は、エコヒートを目指す私にとっては、ややつらい部分です。
まず特性を測るために、この球を立たせる必要があります。この球の写真で、横に寝かせたままヒーターをクリップにより結線し点灯しているものがありますが、あれはフィラメントにとって良くありません。
その後いろいろとソケットのプランを考えた末、ベ−ク板とリン青銅によりソケットのベース部分を作ってみました。出来上がったものに差し込んでみると、これだけで以外にもしっかり固定されています。
ソケットに関しては思ったよりも簡単に事が運んでしまったので、肩透かしを食らったようです。
更にプランに沿ってこのソケットにグリッド用端子を付け、またプレートにはヒートシンクで作ったプレートキャップを取り付けてみました。
しかし・・・画像からわかる通り、この時点で「今回も変なデザインのアンプになっちゃうんだろうなー。」と予測出来ます。「宇宙ロボット登場!」なーんて感じもします。
お墓やロボットではなく、インテリアにマッチするオシャレなアンプが作れる日は、はたして私に来るのでしょうか。
それはともかく、さっそくこの状態でプレート電流特性を計測し始めたのですが、同時に上にある規格表の、赤い枠で囲んである部分が気になりました。
その内容によると金属ブロックに穴をあけ、そこにフィラメントリードを差してねじ止めせよと書いてありますが、これはヒートシンクを取り付けろと言う事でしょう。
つまり50Wというヒーター電力により、このフィラメントリードは相当熱くなるため、このままではリン青銅端子のねじ止め部分に接触するベ−ク板が、長時間の使用で焼けてしまう可能性があるのです。
やはり簡単には先に進ませてくれません。
つづく