その7 ソケットの改造
このアンプの調整を行っていた時、スタンバイスイッチをOFFにしたとたんスパークが起きたのです。その後ヒューズも飛び、なにやら焦げ臭いにおいがしてきました。

そこでいろいろ調べると、ソケットに焦げた跡があるではないですか。どうやらスパークはここで起きていたようです。


    


やはりこのソケットは高圧に向いていないのだろうかと、内部を開けてみたところ、内部での漏電などは全く見られず、至って平常です。

           


そこで焦げた跡をドリルで削り、端子に直接コード類を半田付けしてところ、正常に動作したではありませんか。つまりあのスパークは、家庭用コンセントで電極間に付着したほこりなどが湿気を吸って発火する、いわゆるトラッキングング現象だったのです。

ソケットを疑ってすいません。私の管理不足でした。と、ここまで来てふと気付きました。よく考えたらアダプターとして付いている、GTソケット用接続ピン部分は不要なのではないでしょうか。

思い込みとはこのようなもので、今まではここに半田付けするのが当たり前と考えてていました。


              


よって接続ピンやセンターピンは取り去り、センターに穴を開けてソケットアダプターではなく、堂々ソケット、もしくはマルチコンタクトキャップとすることができました。


               


ソケットから出ているリード線の外部は、ラジエーターからの熱風が直接当たらないように、同軸ケーブル5C-2Vの被服部分で覆ってあります。





結局トラッキング現象が、むしろ完成度を高めてくれたわけです。そう言えば早まってソケットアダプターを3個注文してしまいました。・・・でもまあ、そのうち使う事でしょう。

私にこの球をけしかけたタキザワさん、これでご満足頂けたでしょうか?ちなみに今回は1本700円の中古でしたが、単価1500円で新品が4本ほど出てましたので、つい衝動買いしてしまいました。

この球の新品時の実力を知りたくなったからですが、結局こうなっちゃうんですね。尚、心配だったプレート電圧1000V超えは問題ありませんでした。





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その1 この球でまともなアンプができるのか?
その2 回路と冷却プランを考える
その3 ソケットと入力インピーダンスの安定化
その4 ドライブ回路はGGで
その5 2つの回路
その6 実作に向けて
その7 ソケットの改造