ドライバーのカイゼンと部品配置
グリッドチョークのインダクタンスをどうやって増やすか考えてきましたが、ドライバーをパラレルにした方が楽だと気付きました。こうして回路図を変更した結果、あることに気付iいたのです。





実際に変更した回路図をよーく眺めてみると、グリッドチョークを採用した割りにバイアス電源のインピーダンスをちゃんと考えていませんし、何か4−400Aと言う球をあまりに恐れ多く考えすぎて、不必要に大げさな回路になっている気がします。

もしかしたらA1級のグリッド回路はもっと普通で良いはずと感じ、一気に単純化したのが下の回路図です。部品量は多いものの、なんと古典的、教科書的回路でしょう。

やはりオーディオ回路は増幅の原点ですから、大切な部分こそ妥協できませんが、基本路線は出来るだけ簡単が重要と思います。





6HV5の負荷抵抗100kΩ100Wは、20wセメント抵抗5個をそのまま使うのではなく、ヒートシンクに接着して100W超型抵抗器としました。

接着は平面性が良ければアロンアルファでも行えますが、秋月で売っているシリコン接着剤もスグレモノです。強いショックや力を加えないなら、アルミの酸化皮膜は、意外と強いようです。

通常接着前に100番くらいのサンドペーパーをかけて、平面性を上げておくと良く、またこれらの抵抗はタテヨコのサイズもピッタリ一致していないため、ヒートシンクによるサンドイッチ構造を作る場合、かなりの研磨が必要です。


       


セメント抵抗は四角いのでヒートシンクとの相性が良く、今回80Wシングルを計測するために、わざわざ作った160W(20Wx8)ダミー8Ω負荷抵抗もヒートシンク付きとなっています。


           


ということで、せっかく改造したチョークコイルはとりあえず保留となりました。またいつか使う日が来ることでしょう。その後ケミコンを基板に組み合わせ眺めたところ、これが本当にシャーシ内に収まるのか不安になってきました。


            


そこで仮にこれらのケミコン置いてみたのが下の写真です。ご覧の通りもはやグリッドチョークの入り込むスペースはありません。回路の簡略化は、なるべくして起きたことでしょう。

それどころか6HV5のヒートシンク付きプレート抵抗も外に出さなければいけないような雰囲気なので、それを避けるべく、ファンの近くに配置する方法を考える必要が出てきました。


                     


そこでせっかく作ったヒートシンク付き抵抗は使わず、ファンの周囲に6Pラグを3個取り付け、そこに5個の20W20kΩを配置しました。今回はボツ企画が多いようです。


         


さらに4−400のカソード抵抗500Ω,30W(1,5kΩ,10Wx3パラ)もついでに取り付けました。これなら抵抗の周囲に熱がこもることも無いでしょう。


          


ということで、最早ここまで来るのに何年かかったか忘れましたが、やっと実作に入ります。また、いわゆるアルミ製弁当箱シャーシで、独立型アンプを作る限界も感じ始めています。

さらに今回は第2グリッドへピークで4kV、第1グリッドへピークでマイナス800Vかけますから、かなりビビッています。


つづく





その4
1 最適動作点と動作方法を探る
2 独立型アンプとグリッドチョークの改造
3 電源回路とパーツレイアウト
4  ドライバーのカイゼンと部品配置
5、実作に向けて爆発の時代
6、実作に向けて計測の時代
7、特性向上に向けて
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